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「フレンチ×普段ごはん」vol.11 みそ汁であったか朝ごはん

2017.01.25 Wednesday

こんにちは。
「フランス家庭料理教室アン・プチ・プ」の神崎則子です。

新しい2017年がスタートしました。

その1月もあと残りわずか。時が経つのはほんとうに早いです。
だからこそ、普通の日々をていねいに大切に過ごしたいですね。

よい1日のはじまりはおいしい朝ごはんから、ということで、今回は朝の「みそ汁」のお話です。

我が家の朝ごはんは、あったかいみそ汁とおにぎり。

以前は野菜不足を手早く解消するため、旬野菜のスムージが朝の定番でしたが、体の冷えが辛くなり、最近は具沢山のみそ汁にかえました。
体が芯からあたたまり、野菜もしっかりとれます。



あわただしい朝のみそ汁の“だし”は、便利なインスタントに頼りがちですが、毎日とるなら天然・無添加のものが安心です。

まずは昆布だし。前の晩に昆布を水に浸しておくだけなので簡単です。

または当日の朝、水から昆布を煮だしてもおいしいだしがとれますよ。 その場合、火にかける前に30分ほど昆布を水に浸けておくと、よりうまみが引き出せます。



邪道かもしれませんが、私は毎朝のみそ汁には、キッチンばさみでミニサイズに切った昆布を水から加え、取り出さずにそのまま具として食べてしまいます。



昆布は煮るとびっくりするほど大きくなるので、あくまでも小さくカット。
このミニカット昆布は小ビンに詰めて、キッチンの調味料ラックへ。



昆布などの乾物は、買ってきた袋のまま棚に入れてしまうと、忙しい時は取り出すのさえ億劫ですが、これならすぐに手が届き、さっと使えて便利です。

ただし、昆布は消化が悪いので食べる量はくれぐれもひかえめに。
またこの方法は、ぶ厚くてかたい昆布には向きません。


そしてもうひとつ、みそ汁のだしに欠かせないのが私の大好物のかつお節。

これもまた邪道ですが、私は忙しい朝は“かつおだし”をとらず、細かく削ったかつお節をそのままみそ汁の鍋に加えてしまいます。



かつお節を加えるタイミングは味噌とほぼ同じ。仕上げに入れてすぐに火を止めます。

大きなけずり節だと見ためも食感も悪くなるので、細かいタイプをお使い下さい。



こうしたやり方は、正統派の方からは雑味が出てよくないと言われてしまうかもしれません。
でも、和食の本格だしって決まりが多くてむずかしそう...と、天然の昆布やかつお節を使うのをためらっていた方でも、これならインスタントと同じ感覚で簡単に使えます。


ところで、フランス料理も肉や魚介などでいろんな“だし”をとりますが、これがけっこう時間がかかります。

代表的な肉のだし“フォン・ド・ボー”は、煮出すのに約1時間、魚のだし“ヒュメ・ド・ポワソン”や、野菜のだし“ブイヨン・ド・レギューム”は20〜30分ほどかかります。
そのうえ、ガラの下準備や、香味野菜・ハーブ・スパイスも必要です。



それに比べて和食の昆布やかつおだしは、水だけでOKで時間もかかりません。
昆布は水が沸くまでの数分間、かつお節は沸騰した湯に加え、火を止めて1〜2分待つだけです。



空前の日本食ブームのいま、和食の“だし”は世界中から注目をあびているのに、日本の家庭ではインスタントの顆粒だしが主流なのは本当に残念でもったいないことです。

天然素材の本物のだしは無添加で栄養豊富、なによりおいしくて体にいい。
日本の誇れる食材を、ぜひもっと気軽に活用して下さいね。



さて、我が家の冬のみそ汁は、根菜たっぷりの豚汁や、酒粕を加えた濃厚な粕汁が定番ですが、ときには洋素材を加えたフレンチテイストのみそ汁も楽しみます。
そう、みそ汁は洋風の食材にもマッチするんです。


【*かぶとベーコンのみそ汁+オリーブオイル】
具は大きめに切ったかぶとベーコン。仕上げに刻んだかぶの葉を加えます。
お椀によそったら、お好みで上質なエキストラ・バージン・オリーブオイルをまわしかけ、黒こしょうか七味をふっていただきます。




【*玉ねぎのみそ汁+とろけるチーズ】
フランスの冬の定番、オニオングラタン風。玉ねぎ入りの熱いみそ汁に溶けるタイプのチーズをのせ、粗挽きこしょうをひとふり。玉ねぎのほか、きのこや油揚げを加えても美味。
オーブントースターでチーズの表面を軽く焼くと、よりおいしさが増します。




【*さつまいもと豆乳のみそ汁+発酵バター】
出来上がったみそ汁に、無調整豆乳を適量加えて火を止めます。お椀によそって一片のバターを加え、溶かしながら食べます。豆乳の代わりに牛乳でもOK。
ミルキーなバターの風味とまろやかな豆乳が甘いお芋によくあいます。じゃがバターの豆乳みそ汁もいけますよ。




そして、このようなこってり系の具沢山みそ汁には、しっかりした味わいのごはんがぴったりです。

たとえば、濃厚な甘みと旨みの「つや姫」と「コシヒカリ」。
つややかにみずみずしく炊き上がり、甘みとコクが堪能できるおいしいお米です。玄米ごはんでも甘さがしっかり感じられます。



もうひとつ、まるでもち米のように甘くてもっちりした食感の「ミルキークイーン」と「夢ごこち」。
冷めてもやわらかく美味で、玄米でもモチモチに炊き上がります。玄米おにぎりが大好きな我が家には欠かせない品種です。



冬本番、あったかい天然だしのみそ汁ともっちりおいしいごはんで寒さを乗り切り、毎日を元気に過ごしましょう。


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